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論理(LOGIC)の5原則 残り3つ

3. 論理の洩れや歪みがないこと=MECEであること

つまり「相手に何を突っ込まれようと大丈夫」なこと。
それだけ論理に穴がないということになるのだ。

・構造がしっかりすると“抜け”や“歪み”が明らかになる
・MECEをチェックすると論理の欠陥がわかる

ピラミッドストラクチャーがしっかり書ければ抜けと歪みを判断できる。
例えば前回の日本海の例では絶滅動物のことを書けばよかったとかね。

MECEの意味は
 Mutually 互いに
 Exclusive 排除的で
 Collectively 集めると
 Exhaustive 全てを尽くしている
 =重複がなく、洩れなく全てをカバーする

ってことである。


4. 抽象のレベルが揃っていること

・ひとつのメッセージを支援するサブ・メッセージは、抽象のレベルが等位である。

例えば
○・商品が悪い
    ・A店の売り上げが悪い
    ・B店の売り上げが悪い
    ・C店の・・・・

×・商品が悪い
    ・A店の売り上げが悪い
    ・B店のバイトの対応が悪い
    ・C店は店が暗い・・

・下位にいくほど具体的、上位にいくほど抽象的包括的
・原因(要因)が下で、結果が上


5. 最下部構造の「正しさ」が全体の論理構成を支える

・ピラミッド構造の土台(一番下)となっているメッセージは事実が良い。
 例 市町村の合併
・蓋然性の高い仮定(Assumption)であることが必要
 例 ニュースにあるとおり、もうすぐ市町村が合併する。(Explicit Assumption)
 例 市町村合併の話で今、会合が開かれる。(Implicit Assumption)

ここが崩れると総崩れ。なるべく事実で固めよう。全体が崩壊してしまう!

八代 コストの安さが大事だというから安いPCを持ってきましたよ。
客   違うよ。耐久性が大事なんだよ!安いPCじゃ壊れるだろ!
八代 出直します。
# by jeider | 2004-05-29 05:57 | 論理の基本

論理(LOGIC)の5原則 メッセージはひとつ

2. メッセージはひとつ

・必ず主語と述語で構成しよう
(述語がなければ概念に留まり、命題にならない)

× 労働基準法
○ 労働基準法の抵触

 ・言いたいメッセージ一度にひとつだけ
(2つ以上の命題を含む文章は分解して考える)

× 八代は働いて飯を食ってる
○ 八代は働く。(そのお金で)八代は飯を食う。

まとめるとこうなる。

・概念 単語(自立語)
 意味はあるが主張がない。どのようにでも解釈できる 論理×

・命題(メッセージ) 主語 + 述語
 ひとつのとりちがえようのない主張をもつ。 論理○

例文
 日本海の自然は貴重だから、我々は汚染からそれを守らなければならない
 
テキストでピラミッドストラクチャーにすると

 ・我々は、日本海を汚染から守らなければならない
   ・日本海の自然は貴重
      ・住民の生活にとって・・
      ・交通の上でも・・
      ・観光上、寺泊港が・・・・
      ・漁業資源の宝庫である
   ・日本海の汚染は危険なほど進んでいる
      ・昔の日本海は・・
      ・汚染問題の深刻化
        ・漁業に打撃
        ・海水浴できない地域が・・

こんな感じになる。

相手に伝えたいならメッセージは一つ!
「僕はあなたの目と胸が大きいので好きなんだ。」
ではなくて
「大きい目が好きだ。」
「大きい胸が好きだ。」
「僕はあなたが好きなんだ。」
と、わかりやすくしよう。
# by jeider | 2004-05-29 05:39 | 論理の基本

論理(LOGIC)の5原則 ピラミッドストラクチャー

1. ピラミッド構造

図にすると楽だけど面倒なので。
ようは、ひとつの「正しいメッセージ」を支援するために、
ふたつ以上の下位のサブメッセージを用意すること。

基本的には、「帰納」と「演繹」で組み上げる。

 ■演繹とは?

 大前提 人間は死ぬ     ・・・自明の場合、示す必要ない。
 ↓
 小前提 八代は人間である  ・・・上位メッセージのための根拠
 小前提 八代は男である  ・・・ ×いらない。結論と関係ない。
 ↓
 結論  八代は死ぬ     ・・・主張したいメッセージ

 ■帰納とは?

 人間は必ず死ぬ        ・・・主張したいメッセージ
 Aは死んだ      
 Bは死んだ      ・・・上位メッセージのための根拠
 ・・・

下位のメッセージが正しければ上位のメッセージは成立するのである。
実際にピラミッドで書くとわかりやすいよ。
これをピラミッドストラクチャーと呼ぶ。


 ■間違い(風鈴ロジック)

 日本海の自然は貴重である
 ↓
 我々は、日本海の自然を守らなければならない

わかるかなあ。下記の二つの意味が隠されているんだよ。

 ・同意反復
 「嫌だと言ったら嫌だっつーの」
 「神以外に不可能な事だから、故に何人もこの問題を解決できない。」
 ようは同じことだから同じなんだと。もっともらしく言ってるだけ。

 ・論理不十分
 「これまで100才まで生きた人はいないから、人間は100才までは生きられない」
 こりゃ慣習からの予測だあね。
 「日本海の自然は貴重だから、日本海の自然を守らなければいけない。」
 自然は貴重だが、守ることに直結しない。
 自然は大事だから感情的にはOKだけれど・・・

 あなたは使い道のない大自然の土地を持っていました。
 1億円で買うと言ってきた業者がいたので、売りたいあなた。
 こんなとき「自然を守れ」って誰かに言われたら?
 
# by jeider | 2004-05-29 05:25 | 論理の基本

根拠

正しさの根拠となるもの

・社会的状況下に認められるもの。力。
   テレビが著名人招いてもっともらしく語ること。正しいと思うでしょ?

・手続的正しさ
   特保だから体にいいヨーグルト。体に良いと思うでしょ?

・数理的正しさ
  1+1=2 正しいでしょ。
  これ定義が厳密だから。意味を間違えようがない。正解はひとつだしな。

・論理的正しさ
  政治家は黒。 ほぼ正しいでしょ。
  別な意味 
  ある政治家は日焼けして肌が黒いかもしれない。
  政治(まさはる)さんの家が黒いのかもしれない。
  というように「ことば」は数字ほど定義が厳密でない。
  しかしゆるやかだが、正しいすじみちがある。それを自覚しよう。

・事実
  北朝鮮が拉致していた。 事実でしょ。正しいでしょう。

正しさの根拠の中でも、数理的、論理的、事実はメリットがあるのだ。
それは

・どのような状況下でも、人に「正しい」と主張できる
・必ず結論がでる
・自らの頭脳の働きで、より正しい発想や決断に導くことが出来る

ということ。社会的状況下に認められるもの、手続き的な正しさは
たいていお金がかかる。俺には無理だーー。
自力で使いまくれるのはこの三つなのだ。
# by jeider | 2004-05-29 05:12 | 論理の基本

正しきメッセージ

答弁とはあいまいである。
「XXXX学会の会員減少を防ぐために積極的な学生勧誘をお願いします。」

裏の意味
・年会費とメリットの釣り合いが取れていない。
・そもそもXXXX学会に魅力がない。
・学生だったら(その場限りでも)入会してもらえる。

というように問題が隠されていることが相手にわかってしまえば論理で説得できない。
社会現象としての意思決定は、この程度の論理ですすめられる。
ただでさえ時間かかっちゃうからな。
ところがビジネスの意思決定は「経済合理性」に基づく必要があり、
そのような甘い論理では相手にされず、高い論理が問われることになる。
でもその相手は感情的だったりするんだが・・・。


さて、次のロジックの問題点がわかるだろうか。

例文 A
業界を見回すと、A社は既に5年前から進出しており、B社、C社も
3年前から出店を始めている。D社、E社は出店を計画中である。
ぐずぐずしてはいられない。我社も直ちに進出すべきである。

他がやってるから、うちも。という、ただの主張レベル。
そこでもうちょっと背景を追加しよう。

例文 B
市町村が合併されると規制が強化される。
こうなると外部の業者がN県内で市場地位を確保することが、
極めて困難になると予想される。従って今のうちにN県内の特定の場所に
店舗を設けてインサイダーとなってしまうことが、将来の市場地位確保のために必要である。
業界を見回すと、A社は既に5年前から進出しており、B社、C社も
3年前から出店を始めている。D社、E社は出店を計画中である。
ぐずぐずしてはいられない。我社も直ちに進出すべきである。

もっとらしくなってきたが、まだまだ見えてないところがある。
・地位確保のためにはインサイダーになることが重要。
・たくさんの会社が進出、進出検討中。
これが「我社はただちにN県に進出すべきだ。」につながるかなあ。


で、実際にはこのようなことが隠されている。

・市町村が統合される前に店舗を設けてインサイダー化することは
 特定の市場地位確立のために重要な要件である

  ・たくさんの会社が進出、または進出を検討している
    ・Αも進出した
    ・Bも進出した
    ・Mは進出を決定し、店舗を建設中である
 
  ・業界でN県に進出した会社は苦戦中のものが多い
    ・Αは三年になるが、まだ黒字化の見直しがたたない
    ・Bは組合問題がこじれて困っている
    ・Cは商品調達がうまくゆかず。
    ・Dは自治体との関係が・・・
    ・Kは赤字続きで撤退を検討中

・N県進出後、成功裏に運営することは、必ずしも容易ではない
N県は我社にとって全対輸出の15%(全売上の7%)重要ではあるが、クリティカルではない

したがって結論は

 N県に進出しインサイダー化を検討することはよいが、
 具体的な成立条件と経済性をしっかりと見極めた上で、慎重に決定すべき。

結局、何も決めてないかもしれん。
けれども「条件を厳しく見定める」ことが必要なのだ。
# by jeider | 2004-05-29 05:00 | 論理の基本